第三種電気主任技術者_平成21年度理論_問05
だなお
サルでも分かる電験三種
次の(1)~(5)の静電界に関する記述のうち、誤っているものを一つ選ぶ問題です。
1) 電気力線は導体表面に垂直に出入りする
2) 帯電していない中空球導体Bが接地されていないとき、帯電した導体Aを導体Bで包んだとしても導体Bの外部に電界ができる
3) 電荷\( Q \)から出る電気力線の数は誘電率\( \varepsilon \)によって異なる
4) 導体が帯電するとき、電荷は導体の表面にだけ分布する
5) 導体内部は等電位であり、電界は零である
静電気力線や導体内外の電界の分布など、基礎的かつ重要な内容です。試験でも定番論点なので、確実に押さえておきましょう。
静電遮蔽(シールド)の考え方が理解のポイントです。中空導体であっても、内部の電荷を外部に漏らさない「遮蔽効果」が働くかどうかが問われています。
(2) の「帯電した導体Aを、帯電していない・接地されていない中空球導体Bで包んでも、外部に電界ができる」という記述が誤りです。実際には、導体Bが外部との接続(アース)がなくても、B全体として帯電していなければ、その外部に電界は生じません。これは「静電遮蔽」の典型的な性質によるものです。
特に数値計算が必要な問題ではありませんが、考え方としては、導体内部のガウス法則を適用すれば「内部の電界が0 → 外部への電界も影響がない」ことがわかります。
(2) のみが明らかに物理法則に反する内容を含んでいるため、これが誤りであると結論づけます。
このように静電気学の基礎をしっかり理解することで、導体や絶縁物の働き方の原理が見えてきます。「なぜ導体の外側に電界が生じないのか?」という疑問には、ガウスの法則と導体の性質から説明できるようにしておきましょう。苦手意識を持たず、確実に得点につなげたい分野です。