理論過去問
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第三種電気主任技術者_平成22年度理論_問12

だなお

金属表面からの電子放出に関する問題

問題文(要約)

金属などの表面から真空中に電子が放出される現象について、以下の3種類が紹介されています。

  1. タンタルを加熱して放出される電子(\( (ア) \)放出)
  2. タングステン表面に大きな電界をかけて放出される電子(\( (イ) \)放出)
  3. 金属やその化合物に衝突させて新たに放出される電子(\( (ウ) \)放出)

これらをそれぞれ何というか、選択肢の中から正しい組み合わせを答える問題です。

重要度:必ず理解

電子がどのような原因(加熱、電界、衝突など)で放出されるかは、電子工学分野の基礎として非常に重要です。第3種電気主任技術者試験でも関連知識として出題されることがあるため、確実に押さえたいポイントです。

出題意図とポイント

  • 電子放出の種類を区別できるかどうかを問う問題です。
  • 「熱電子放出(thermionic emission)」「電界放出(field emission)」「二次電子放出(secondary electron emission)」の代表的名称を混同せず整理する必要があります。
  • 「タングステンに大きな電界をかけると常温でも電子が放出される」→電界放出、「衝突によって新たに放出される」→二次電子放出、といった特徴的なワードの紐づけが鍵です。

正答番号:1

\[
(ア) = \text{熱電子}, \quad (イ) = \text{電界}, \quad (ウ) = \text{二次電子}
\]


解法の手順

STEP1. 基本の公式等を確認

  • 金属表面から電子が飛び出す代表的な現象には以下の3つがあります。
  1. 熱電子放出:金属を高温に加熱したとき、熱エネルギーにより電子が真空中へ飛び出す現象
  2. 電界放出:非常に強い電界をかけることで、トンネル効果などによって電子が常温でも放出される現象
  3. 二次電子放出:高速電子などが金属表面を衝突し、衝撃で新たな電子が放出される現象
  • これらの名称を問題文中の記述と対応づけます。

STEP2. 数値を代入して計算

本問は計算というよりも、記述と現象の紐づけがメインです。

  • (a) タンタルを高温にすると放出される→「熱による放出」なので熱電子放出
  • (b) タングステンに十分大きな電界をかける→常温でも放出される→電界放出
  • (c) 金属に電子やイオンが衝突して新たな電子が放出→二次電子放出

STEP3. 答えを導く

以上の整理から、(ア)熱電子、(イ)電界、(ウ)二次電子の組み合わせが該当し、選択肢(1)が正解となります。


まとめ

今回の学習ポイントのまとめ

  • 電子放出の代表的な3種類(熱電子放出、電界放出、二次電子放出)の区別を押さえる。
  • タンタルを加熱したときの放出は熱電子放出、タングステンに高い電界をかけると電界放出、衝突によって新たな電子が飛び出すのが二次電子放出。
  • 電気主任技術者試験では、電子管や放電現象、真空技術などの基礎としてこれらの知識が絡んできます。問題文のキーワードと現象の特徴を結びつける訓練をしておきましょう。

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