直流回路における抵抗値と消費電力
問題文(要約)
本問題は、90 V の直流電源に 30 Ω の抵抗が直列に接続され、その先に 12 Ω と未知の抵抗 \( R \) が並列接続されている回路についての問題です。12 Ω の抵抗の消費電力が 27 W であるとき、抵抗 \( R \) はいくらかを求めるものです。
重要度:ここまで取れれば合格圏
比較的基本的な電力計算と直並列回路の電圧・電流分配の知識があれば十分に対応可能です。試験でよく問われる計算パターンですので、マスターしておきましょう。
出題意図とポイント
- 消費電力 \( P \) と抵抗 \( R \)、そして電圧 \( V \) との関係「 \( P = \dfrac{V^2}{R} \) 」を正しく扱えるか確認する問題です。
- 直列部分と並列部分の電圧配分を計算し、並列回路における電流分配もしっかり理解しているかが問われます。
正答番号:5
解法の手順
STEP1. 基本の公式等を確認
- 消費電力の公式
\[
P = \dfrac{V^2}{R}
\]
または \( P = I^2 R \) も使えますが、今回は電圧を求めたいので \( P = \dfrac{V^2}{R} \) が有効です。
- 直列回路では電流が共通、一方並列回路では電圧が共通となる点を押さえましょう。
STEP2. 数値を代入して計算
- 12 Ω 抵抗の消費電力 \( P = 27 \) W とすると、12 Ω 抵抗にかかる電圧 \( V_{12} \) は
\[
27 = \dfrac{V_{12}^2}{12}
\quad\Longrightarrow\quad
V_{12}^2 = 27 \times 12 = 324
\quad\Longrightarrow\quad
V_{12} = 18 \,\text{V}.
\]
- 並列部全体の電圧は 18 V なので、電源電圧 90 V から見ると、30 Ω の抵抗には
\[
90 – 18 = 72 \,\text{V}
\]
の電圧がかかります。
- 30 Ω 抵抗を流れる電流 \( I \) は
\[
I = \dfrac{72}{30} = 2.4 \,\text{A}
\]
これは並列回路に流れ込む電流でもあります。
- 12 Ω 抵抗に流れる電流 \( I_{12} \) は
\[
I_{12} = \dfrac{18}{12} = 1.5 \,\text{A}
\]
よって、抵抗 \( R \) に流れる電流は、全体 2.4 A から 1.5 A を引いて
\[
I_R = 2.4 – 1.5 = 0.9 \,\text{A}
\]
- 抵抗 \( R \) は同じ 18 V がかかり、電流 0.9 A が流れるので、オームの法則から
\[
R = \dfrac{18}{0.9} = 20 \,\Omega
\]
STEP3. 答えを導く
以上より、抵抗 \( R \) は 20 Ω となります。選択肢でいえば 5 番が正解です。
まとめ
今回の学習ポイントのまとめ
- 消費電力から抵抗にかかる電圧を求める基本公式 \( P = \dfrac{V^2}{R} \) を正確に適用する。
- 直列回路と並列回路における電圧・電流の関係を押さえておく。
- 並列抵抗の電圧は共通、直列抵抗は同じ電流が流れる点を意識して計算を整理する。
苦手意識を減らし、着実に得点源にしていきましょう!