電流が流れる導体とフレミングの左手の法則に関する問題
問題文(要約)
電流が流れている長さ \( L \) [m] の直線導体を、一様な磁束密度 \( B \) の磁界中に置いたときに生じる電磁力についての問題です。問題文では以下のような記述があります。
- フレミングの \( (\,ア\,) \) の法則に従って、導体には電流の向きにも磁界の向きにも直角な電磁力が働く。
- 導体の方向を変えて、電流と磁界が平行になったとき(同じ方向)には、導体に働く力は \( (\,イ\,) \) となる。
- 電流と磁界が直角になったときは、導体に働く力は \( (\,ウ\,) \) となる。
- 力の大きさは、電流の \( (\,エ\,) \) に比例する。
この空欄 \( (ア),(イ),(ウ),(エ) \) に当てはまる言葉を、(1)~(5) の選択肢から選ぶ問題です。
重要度:必ず理解
電磁気学の基本分野に属し、電流と磁界から力が生じる原理は、電動機(モーター)や発電機など多くの電気機器で応用されます。必ず押さえておきたい知識です。
出題意図とポイント
- ポイント1:フレミングの左手の法則(モーターや力が生じる場合に用いる法則)であるか、右手の法則(誘導起電力を考える場合)であるかを見分ける。
- ポイント2:電流方向と磁界方向が平行なときは力がゼロ、直角なときは最大になるという基本概念を押さえる。
- ポイント3:力は電流や磁束密度に比例し、電流の「1乗」に比例する。
正答番号:5
解法の手順
STEP1. 基本の公式等を確認
電流 \( I \) [A] が流れる導体長 \( L \) [m] を一様な磁界 \( B \) [T] に垂直に置いたとき、導体に働く力 \( F \) [N] は以下の式で与えられます。
\[
F = B\,I\,L
\]
ここで、
- フレミングの左手の法則:電流と磁界から生じる力の方向を定める法則(親指=力、示指=磁界、中指=電流)。
- フレミングの右手の法則:導体に誘起される起電力の向きを定める法則。
STEP2. 数値を代入して計算
問題文では具体的な数値計算はありませんが、次の関係が大事です。
- 電流の向きと磁界の向きが平行になる(導体をそう配置した)とき:\(\sin 0^\circ = 0\)、よって力はゼロ。
- 電流の向きと磁界の向きが直角になるとき:\(\sin 90^\circ = 1\)、よって力は最大となる。
また、力は電流 \( I \) の1乗(つまり比例関係)となります。
STEP3. 答えを導く
- 力の方向は「フレミングの左手の法則」で決まる。
- 電流と磁界が同方向のときは力は零(0)。
- 電流と磁界が直角のときは力が最大。
- 力は電流に対して1乗で比例する(\( F \propto I^1 \))。
これらの内容を満たす選択肢は (5) 「左手、零、最大、1乗」です。
まとめ
今回の学習ポイントのまとめ
- フレミングの左手の法則で「力」の向きを決める。
- 電流と磁界が平行のときは力は0、直角のときは力は最大になる。
- 力は電流の1乗に比例する(\( F \propto I \))。
- 電気主任技術者試験だけでなく、モーターや発電機等の電気機器分野で頻出の基礎概念ですので、確実に理解しておきましょう。